NHKの最長片道切符の旅

NHKのBSの企画で最長片道切符の旅について、類似企画をやっている私からいくつか。

私は番組を視聴する環境がないので、実際に番組を視ることができないことを最初に言っておく。

やっぱりテレビ、しかもNHKだといい話にしなければならない。今回、宮脇俊三さんが書いた「最長片道切符の旅」を読みつつ旅をすすめているのだけど、これはテレビでは言えないな、という描写がいくつかあって、たとえば「指定券の売り方に文句がある」とか「このホテルは多目的に使われている」とか、もしそういう場面に出くわしたとしても、番組で放送することはないだろう。個人的にはそういう描写にこそ興味深く思ったりするので、それが一切ないというのはどうなのかなと。

あと、42日かけてまわるというのは、かなりゆっくりしている。取材などをするからその分時間がかかるのだろうけど、私が今年の冬に企画していた最長片道切符の旅では、休みを全部費やして、なんとか30日くらいにおさめる必要があった。結局、NHKに先んじられたので1978年版に企画を切り替えたのだけど。四国をまわっても2日もあれば十分だから、42日間も費やせるということ自体に、贅沢でうらやましさすら感じる。

テレビでやって、暇も時間もある老夫婦あたりが「あのテレビでやっていた切符ください」とか言ってみどりの窓口に行かないか心配だ。見るとやるのでは全然違うのだから、あまり楽しさを全面に出すような演出はしてほしくないな、と思う。