リニア中央新幹線、諏訪・伊那谷ルートは「5分長いだけ」と長野県が試算

http://www.shinmai.co.jp/news/20081025/KT081024ATI090011000022.htm

なんかこの件がらみで当ブログの過去記事がだいぶ参照されているみたいなので、なんか書かねばと思って書いてみる。

リニア中央新幹線計画で、JRが想定する直線のCルートと長野県が要望する諏訪・伊那谷まわりのBルートの差は40キロで、時速500キロで走行すると5分くらいしか違わないと、県が試算したという。カーブで速度が落ちる可能性があるが、その場合も10分も違わないという。

違いが10分あるとして、10分「しか」違わない、と言ってしまっていいのか、という点が気になる。例えば、長野県が道路を作りたい、今まで1時間かかっていたのが50分に短縮されます、という説明をした場合、「10分しか違わない」と返されたらどうするのか。1時間内での10分の違いはけっこう大きな差だと思う。

所要時間の問題もさることながら、建設費の問題もあるし、気象による障害発生のリスクも考えなければいけない。長野県がBルートで作ってほしいというならば、それらの条件を総合的に分析した結果を出すべきだろうが、今のところはただごねているだけである。

そもそも、リニア中央新幹線について、JR東海と長野県の目的の意識が違っているままでいいのかとも思う。JR東海はリニア中央新幹線は今までの鉄道とは全く違った思想で作るということをはっきりと宣言しないと、長野県みたいにおらが町に鉄道を通せ、という声は止まないと思う。私としては、極力政治色を廃して、事業者が合理的だと考えたルートで建設してほしい。