世襲候補の立候補制限

民主党が次期衆院選で世襲候補の同一選挙区からの立候補を制限する方針を出して、自民党でも世襲候補の制限が議論されている。私としては、世襲にしろ、年齢にしろ、多選にしろ、杓子定規で立候補を制限することには賛成できない。そういう規則がないと身を律することができないということを露呈しているようなものだ。実際にそうなのだろうが。お子様政党と呼びたくなる。

年齢、多選はその基準が明確だが、世襲というのはなかなか定義が難しい。祖父母、父母、兄姉が政治家で、その影響を持っている候補者は皆世襲、というのが、いちばん拡大した解釈だと思う。そうなると、次期衆院選で民主党から愛媛4区から立候補を予定している高橋英行氏は、祖父が父親が旧愛媛3区から自民党公認で当選してきた高橋英吉元衆議院議員、父が旧愛媛3区、愛媛4区から無所属、自民党、新進党から立候補して、選挙区内の市長を務めた高橋英吾前八幡浜市長、で世襲候補と解釈できるのだが、まあ、いろいろと理由をつけて世襲候補ではないということになるのだろう。

もっとも、世襲政治家が多いこと自体は憂うべきことだとは思う。世襲候補という安易な選択肢が蔓延したことが日本の政治のレベルを低くしている部分はあるとは思うが、世襲政治家が出てくる可能性を全く無くしてしまうのはよくない。別の選挙区から立候補すればいいという意見もあるが、本人がいちばん縁がある選挙区から立候補するのが自然だろう。いい世襲候補は残して、悪い世襲候補は落とす、ということができるようななることを目指すのが理想である。