衆議院議員の比例定数削減シミュレーション

最近は話題にならなくなったが、衆議院議員の比例定数を削減するというような話があった。具体的には現在の180を100に削減するという。国会議員の定数削減を安易に進めるべきではないとは思うが、名簿に名前を載せただけの人が国会議員になってしまうのもどうかと思う。ただ、比例区で議席を得ている政党からは反対の声が挙がっていた。それならば、大政党に有利と言われているドント方式ではなく、サン=ラグ方式にすればいいのではないかと思い、まとめてみた。前回の衆院選の得票数を使って試算。定数は北海道=5、東北=8、北関東=11、南関東=12、東京=8、北陸信越=6、東海=12、近畿=16、中国=6、四国=4、九州=12、と仮定した。

政党 定数180:ドント方式 定数100:ドント方式 定数100:サン=ラグ方式
民主 87 53 45
自民 55 30 27
公明 21 10 13
共産 9 4 7
社民 4 0 4
みんな 3 2 3
大地 1 1 1

定数100のサン=ラグ方式の場合、前回の衆院選と同じように、東海ブロックと近畿ブロックで1議席を獲得できるだけの得票数を得たものの当選対象者がいないという現象が発生する。このシミュレーションでは、東海は自民、近畿は共産がみんなの党が獲得すべき1議席を獲得した。ドント方式の場合は、東海、近畿ではみんなの党は議席獲得に至らなかった。

比例定数が削減すると、中規模政党である公明党はどの方式でもかなりの打撃になることがわかった。また、ドント方式だと社民党は壊滅的になる。共産党も苦しい。その分、大規模政党の民主党、自民党が有利になる。また、サン=ラグ方式は泡沫政党に有利な制度と言われているとはいえ、定数が少ないということもあって、ブロック内で30万票獲らないと当選者を出すには及ばず、国民新党、新党日本、幸福実現党、改革クラブ、新党本質は当選者0だった。

比例定数削減するとなると民主党が主導で行うのだろうが、民主党に有利になるように制度に改めるのでは全く説得力がないのは言うまでもないだろう。比例定数削減をするのであれば、ドント方式の見直しは必須ではないかと思う。