インターネット個人史

4年前に別のところに書いた文章の再掲。

私が初めてインターネットなるものに触れたのは大学生の頃、大学の2号館402教室でのことだった。1997年くらいのことだと思う。ブラウザは Netscapeだった。当時はまだ情報収集をするという目的でインターネットを使うことはあまりなくて、どちらかというと暇つぶしの道具だったり、先進的なものに触れる機会を得るための道具という意味が強かった。まだインターネットを使いこなせていなかったということもあるが、インターネットに公開されている情報量が少なかったということもあると思う。大学時代から見ているサイトで今でも残っているのは「Bus Stop Ibaraki」くらいか。大学時代に家でインターネットをやろうという気は毛頭なかった。ある友人は家でインターネットをやっていたが、家でインターネットをやる人は少数派だった。

1999年になって会社に入ると、会社でインターネットをやる機会が出てきたが、それでも私は家でインターネットをやる気はなかった。1999年後半になって、Zaurus igetiを買った。そのとき、店の人に携帯電話をつなげてインターネットをすることを教えてもらい、その場でプロバイダで契約して、Zaurus igeti+携帯電話でインターネットを始めることになった。今から考えると何でこんな方法でインターネットを始めたのか全くもって意味不明である。そんな環境でのインターネットライフが長く続くはずがなく、ほどなくして、モデムを買ってパソコンを使ってダイヤルアップでインターネットを始めた。

ダイヤルアップでインターネットをしていた1年半くらい続いた。なんせつなげばつなぐだけ課金されるわけで、使わないときはなるべく切断するようにしていた。私は使っていなかったが、当時はテレホーダイという時間帯によってはつなぎ放題になるサービスがあった。テレホーダイの時間帯になるとインターネットにつながりにくくなり、「テレホタイム」という言葉もあったが、今では既に死語である。

2001年4月に待望にADSL導入。もともと過渡期の技術だと思っていたISDNには興味がなく、私が住む新座市にADSLのサービスが開始するのを待っていた。だいたい東京からサービスが始まるものだが、東京に近い新座市では遅くない時期にサービスが開始した。開始とほぼ同時期に申し込みを行った。細かいトラブルはあったが、無事開通した。その当時に書いた文章を以下に引用する。

やっぱり早い。あとつなぎっぱなしはやっぱり嬉しい。ホームページに出る影響といえば、データなどをウェブで確認できるから、確実な情報を書けることだろうか。ブックマークもデータソースとなるサイトが増えそうだ。あとはインターネットにかける時間が増えて更新が遅れるとか。

今となっては味わえないような感動があったことを思い起こさせる。今ではADSLも通信速度が速くなり、FTTHという技術も出てきたが、私の自宅の環境は今でもこのときのままであり、それで充分満足している。インターネット技術に関して言えば、「つなぎ放題になった」という以上の進歩はこれから先ないのではないかという気さえする。