ユニクロから考える

ユニクロの社長が「年収100万円でも仕方がない」というようなことを言ったとかなんとかで議論の的となっているが、以前に見たインドの日本人向け求人広告は月給8万円とかだったので、まあ世界的に見れば100万円という数字がでてきてもおかしくないのだと思う。経済のグローバル化を突き進めるとそういうことになるということなのだろうが、日本において今までグローバル化の賛否はあまり問われていなかったわけで、そこに鈍感な人たちを差し置いて、積極的な人たちが世界に打って出て仕組みを作って日本にも波及させている、というのが現状だ。

当然ユニクロも全従業員が年収100万円というわけではなくて、優秀な人にはそれなりの報酬を与えるということを言っている。年収1億円か100万円かだったらユニクロで買い物をする層がいなくなるということを言っている人もいたが、当然その中間の年収を貰う人もいるわけで、そういう批判の仕方は的外れだろう。

ユニクロはとにかく優秀な人たちをいっぱい働かせてその分給料を払う、優秀でない人たちにはそんなに給料は払わない、ということをわかりやすく明言したわけで、正直な分いい会社だと思う。そこで働くか、働かないかは選択の自由だ。特に、優秀ではない、才能のないと見なされている人間がいかにして働いて報酬を得るか、というのは、そこまで踏み込んで発言する人は今のところあまりいないが、もっと表立って考えるべきではなかろうか。ユニクロ的なものを批判する人には、それに対抗する意味も込めて特に考えてほしい。個人的にキーとなりそうだと思っているのは「教育」「スキルマッチ」、そして「消費者としての寛容な心」。