第20回参議院選挙を政党別に振り返る

<自民党>

大敗北というわけではないけど、微妙に負け。ただ、公明党=創価学会に頭を下げてこの結果。現状で民主党と互角で、これから組織の弱体化が一層顕著になってくると、次の選挙、次の次の選挙で自民党は第一党ではなくなるのではないか、という予感がする結果となった。

比例の注目候補、竹中平蔵大臣は70万票以上の得票を得て当選。「竹中平蔵」と書く人がこれほど多いとは意外。多くて30万票だと思っていたのに。30万票以上を得た秋元司候補はノーマークだったが、「あ」から始まる候補者一覧が奏功して得票を多く得たらしい。何だそりゃ。あと、個人的には応援している荒井広幸候補が当選したのはよかった。

落選したのは神取忍候補。ただ、次点なので必ず繰上当選になると思う。あと、志木駅でも演説していた浜田卓二郎候補はなんと後ろから数えて二位。しかも全然話題にもならない。やはり、6年前に自民党候補を追いのけて当選して、知事選で自民党県連が立てた候補を邪魔した挙げ句、自民党公認です、って言われてもねぇ。

<民主党>

躍進には躍進だけど、もう少し議席が伸ばせたのでは。確かに自民党に加え、公明党=創価学会を敵に回し、時には社民党も足を引っ張り、共産党も対立してきて、大変だな、とは思う。その中で、東京、神奈川、愛知で二議席確保。あと群馬でトップ当選。群馬県出身の私としてはエポックメイキングな出来事だと思うんだけど、あくまでも個人的な感想として。

ちなみに私は消極的民主党支持者だが、参院選の通常選挙で民主党の候補に入れたのは初めて。今回も選択肢がもう一つ増えなければ民主党には入れなかったと思う。埼玉選挙区はやりようによっては民主党は二議席確保できたのに、県連がやる気がなくて、結局公明党に議席を渡す結果になった。もったいない。

比例では信田邦雄候補が1998年に出馬した選挙に続いて次点。本人は不本意だろうけど、比例で二回連続次点は珍しい。

今度は衆議院解散に向けて活動するようで、投票日の次の朝も神風衆議院議員が駅前に立っていた。神風議員はこういう点は評価できるのではないかと。

<公明党>

重点候補だと思われた浜田昌良候補がその他大勢並の得票数なのが謎。担当地域を持たない候補者だとそんなものなのか。埼玉で民主党の票割りによっては負けていたことを考えると、言うほどすごくないんじゃない?という印象。比例の1増も、自民党から票を回してもらって現状維持というのも変な話だし。

<共産党>

三年前の参院選と比べると比例の得票数がほとんど変わらないことを考えると、それほど退潮という感じはしない。六年前がバブルだったのだ。これが共産党の現実。ただ、東京で議席を失ったという意味は大きいか。あと候補者はともかく、支持者が年寄りばっかりなのはどうなのか。民青の人は選挙活動をしないのか。民青の人に選挙活動をさせるのははばかれるのか。

<社民党>

2議席は改選議席確保なんだけど、三年前の選挙に比べると比例の得票数が落ちている。加えて、山形や富山では民主+社民>自民、という状況。まあ、この二県では社民党の候補が共産党の候補の得票数を上回っていて、そういう地盤があるから候補者を立てているのだろうけど。個人的には歴史的な役割を終えた政党だと思っているのですが。

<女性党>

なんか知らないけど、大幅に得票数を上げている。これは組織票なのか。それとも背後関係を知らない人が「女性の地位を向上してくれる」と思って投票するのか。だいいち、候補者全員が化粧品販売という同業に関わっているという時点で何か怪しいのだが。もう少しで議席を確保できたかもしれないのにマスコミがスルーしていることを感じるべきだ。その中でも、早坂きくみ候補が得票数最下位なのが、候補者全員の顔を見て、まあそういうものなのかなと。

<みどりの会議>

ここは現職国会議員を擁しているのでそれなりに取り上げられたようだが、それにしても女性党よりも得票数が少ないようではいけません。私はさきがけの保守リベラルのイメージを持っていたのだが、その政策が左に寄っていて驚いた。やはりミニ政党にこの選挙制度は厳しい。

<維新政党・新風>

かなり右寄りということで、マスコミもスルー気味。まあ、一つくらいこういう政党があってもいいのではないか。

<世界経済共同体党>

他の人に向かって「腹を切って死ぬべき」「地獄の火のなかに投げ込む」と言っているので、マスコミもスルー気味。というか、こういうことを言っている限りは、大手マスコミは取り上げないと思います。とはいえ、ほとんど又吉光雄個人でやっているにしてはかなり健闘したと言える。

<無所属>

北海道選挙区では鈴木宗男候補が善戦。4人区時代であれば当選していたのだが。あと、大阪選挙区でも辻元清美候補が善戦。余談だけど、辻元清美を「辻本清美」と書く人が多い。辻本茂雄の影響だろうか。