吉田初三郎式鳥瞰図「銚子市 : 関東第一の魅力」

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作製された年が明記されていないが、銚子市の市制施行後なので1935年頃かと思われる。ヒゲタ醤油の広告が大々的に描かれているが、図にはヒゲタ醤油だけではなくちゃんとヤマサ醤油の工場も描かれている。市街地で目立っているのが銚子観音=飯沼観音だが、銚子は飯沼観音を中心に開けた街なので、それがその存在感になっている。国鉄には汽車、銚子電鉄には電車が描かれている。松岸には遊郭が描かれているが、当時は賑わっており船で乗り付けられるようになってもいたとのこと。
航路が多数が描かれている。利根川に架かる橋もなく、国鉄鹿島線もできたのは戦後のことなので、船がまだ主要な交通網としての役割を果たしていたということになる。裏面には成田と八日市場を結んでいた成田鉄道についての言及があるが、図ではバッサリ省かれている。銚子とその対岸以外はわりと省略されていて、それだからこそ愛知県の日本ラインの記載が目立つが、吉田初三郎が犬山に住んでいたからなのだろう。