宮脇俊三「ローカルバスの終点へ」湯ノ岱

宮脇俊三著「ローカルバスの終点へ」の精読企画。1987年から88年に書かれた記述内容が2021年現在どうなっているのかを中心に記していく。基本的に月末更新。今回は湯ノ岱(秋田県北秋田郡森吉町)。
森吉町であるが、現在は合併して北秋田市となっている。市役所は鷹巣に存在する。米内沢・阿仁前田から湯ノ岱に至るバスは完全に廃止されていて、今は森吉山周遊乗合タクシーという予約制のデマンドタクシーが運行している。阿仁前田駅から湯ノ岱の杣温泉・森吉山荘を結んでいる。2020年実績で1日十数便が設定されているので、当時の路線バスよりも本数は多いであろう。途中の根森田までは米内沢からの秋北バスの路線バスが残っていて、平日で3.5往復、土日休日で3往復となっている。根森田よりも奥の集落が2011年に完成した森吉山ダムによって水没した集落ということになる。
氏が当時宿泊した杣旅館は健在で、ウェブサイトを拝見すると、本書に出てくる経営者の方も健在のようである。
アクセス鉄道である秋田内陸縦貫鉄道は当時は秋田内陸北線が鷹巣から比立内まで、秋田内陸南線が角館から松葉までを結んでいたが、1989年に比立内から松葉までが開業している。もっと言えば、1997年には秋田新幹線が開業しており、このあたりの鉄道アクセスはだいぶ良くなったと言える。