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自民党が衆院選空白区で候補を公募

http://www.asahi.com/politics/update/0721/TKY201007210535.html

自民党が、衆院選の候補が空白となっている98の区で、候補を公募で選ぶ方針とのこと。解散を迫っているのに、自党の空白区が1/3もあるのは本気度が疑われる、というのはその通りであろう。候補選出を急いだほうがいいとは思う。ただ、公募という方法が万能なわけでもない。公募については都道府県連に一任されるということで、都道府県連の力量に候補の質が依存する、ということになる。党本部が主導すると都道府県連の反発があるということなのだろうが、党改革を進めるのであれば、党本部が介入する余地があってもいいかと思う。


たちあがれ日本と新党改革が統一会派結成へ

http://www.asahi.com/politics/update/0715/TKY201007150309.html

たちあがれ日本と新党改革が参議院で統一会派を組むとのこと。たちあがれ日本は選挙後に日本創新党と統一会派を組むと言っていたが、日本創新党は(予想していたとおりだが)当選0で、統一会派は組めず、新党改革を相手に選んだようだ。所属参議院議員は、たちあがれ日本は3人、新党改革は2人。両党の共通点といえば、元自民党ということか。あと、たちあがれ日本の平沼、藤井氏と、新党改革の荒井氏は郵政民営化に反対した、とか。ただ、党のイメージは異なるという印象。

国民新党も社会民主党と統一会派結成を申し入れて、衆議院は断ったが、参議院は検討中とのこと。選挙が終わって他党と手を組む動きが見られる。

ここで他党と手を組むということは、先の参院選の結果が芳しくなかったということなのだろう。一方躍進を遂げたみんなの党。渡辺代表の威勢はいいが、たちあがれ日本の与謝野氏には「デマゴーグ」と評されるなど、躍進を遂げた故に、警戒心を持たれている印象を受ける。特に自民党や公明党としては、議席数で劣るみんなの党にイニシアティブをとられたくない、という気持ちはあるだろう。参議院ではみんなの党が野党統一で議長候補を立てる動きもあるが、野党がそれでまとまるとも限らない。


第22回参議院議員選挙結果考察

第22回参議院議員選挙の結果を政党別に考察してみる。

自由民主党

今回、改選第一党になった自民党。2人区は1つを確実に取るものの、3人区では千葉で取りこぼし(しかも民主に票数で負けている)、5人区でも現職1人の当選を優先して新人1人は惨敗、比例区にいたっては過去最低の獲得議席数。結局、1人区での優勢で勝ったようなものである。1人区では与党の批判票をまとめた。もっとも、かなり敵失に助けられた部分はある。何はともあれ、数を取ったのは確かであり、政権復帰への足がかりを築いたことは確かである。一刻も早い解散総選挙を、と言っているが、それ以前に衆院選の候補が空白になっているところが多数ある状態なので、一刻も早い次期衆院選の候補者の決定をしてほしいところである。また、2人区で2人立てた民主党にトップ当選を許していたり、比例区の獲得議席数が少なくて今後比例区候補のなり手がますますいなくなるのでは、という心配もある。

民主党

惨敗と言ってもいいでしょう。2人区は共倒れせず、5人区でも2人取ったので及第点と言えるが、1人区は惨敗。3人区も愛知以外は取りこぼす状況。大阪で2人は無理だがそれ以外は取れてもよかった。1人区も、栃木や徳島を落としているようではダメだろう。今まで民主党は参院選に強かったが、今回与党になって、どこか選挙に対して甘さが出てきたように思う。個人的には消費税に関する発言よりは、みんなの党への秋波発言のほうがまずかったと思う。発言が全てではないが、よかったとは言えない鳩山内閣の政権運営が、菅内閣になっていい方向に変わる兆しを潰したことは否めないと思う。さすがに首相は短期間で変わりすぎなので変える必要はないと思うが、党執行部は責任をとるべきではないだろうか。

みんなの党

躍進が予想されていたみんなの党。10議席獲得。渡辺代表はもっといくと思っていたかもしれないが、これは躍進と言っていい数字でしょう。選挙区で当選したのが、”イケメン”社長、元衆議院議員、市長選立候補経験者、と、それなりに強い候補が当選している。今まではわりと持ち上げられてきたが、目立ってくると逆風にさらされることになるだろう。そのときどのように対処できるかが課題になってくると思う。

公明党

選挙区では3人当選したが、比例区では6人にとどまった。前回の選挙とそれほど得票数は変わっていないのだが、自党が安定した力を誇っても、他党の影響で議席獲得数が上がったり下がったりするのが、強みでもあり、弱みでもあろう。

日本共産党

東京選挙区で議席獲得ならず。最終的にはみんなの党とかなり差がついたので、共産党が選挙区で議席をとれる力はない、と言ってしまっていいのではないかと思う。比例でも前回と同じ3議席。勝敗を度返しして、自分達の意見さえ言えればいい、というような態度はいただけない。

社会民主党

比例で2議席獲得。個人的には1議席に落ち込んだほうが危機感を感じられてよかったのではないかと思ったのだが。得票数は減っているし、次回は福島代表非改選なので1議席になるかもしれない。選挙区でも候補を擁立したが、推薦の沖縄以外は惨敗もいいところである。

たちあがれ日本

選挙期間中に比例名簿から候補者を削除したりしてどたばたしていたが、1議席は確保。これは予想通りだった。結果現状維持。ただ、この政党はどういう方向に行くのかよくわからない。このまま政治寿命が尽きるまで小政党で行くのだろうか。

新党改革

1議席獲得。これは私としては意外だった。そして、比例区で2%の得票率を獲ったので政党要件も維持。政党交付金がもらえる。ただ、改革クラブのときは政党交付金をもらってなるべくコストをかけないで政党を運営していったものの、舛添さんの新党改革となると、それなりに活動をして、それなりにコストもかけなければならない。党運営をどうするか、政界再編を仕掛けてくるのか、あたりに注目。

国民新党

去年の衆院選の結果からこの参院選で議席を獲るのは難しいと思っていたが、案の定議席0に終わった。普天間基地移設問題の混乱は国民新党の責任も大きいし、相応の結果だったのではないか。それにしても、候補者にやばい団体と関わりがあると言われている人が複数人いる、というのもすごい話。与党なのに。

日本創新党

「首長新党」と言われて地方主権をすすめる政党と思っていたら、いつの間にか保守色が濃くなっていた、という。地方主権ではわかりやすく票を取ることはできないと判断したのか。保守を標榜するとわかりやすい手応えは得られるのだろうが、その数はたいしたことはない、という。たちあがれ日本と統一会派とか、合併とかいう話もあったが、それならば選挙前にくっついてしまったほうがよかったのではないか。東京選挙区の候補者差し替えの時点から軽くごたごたしていたが、惨敗を受けて再度挑戦をするのか、もうやめるのか、注目。

女性党

この情報化時代に、党の実態がほとんど知られていないというクローズぶりで、40万票の票を獲得するというのは、不気味な感すらある。

幸福実現党

選挙区ではほとんどで最下位。比例区でも20万票台。幸福の科学の信者はそんなものなのか、と思わざるを得ない得票数である。一応、国会議員も一人いる党でこの少なさは異例。選挙活動自体はかなり金をかけていると思うのだが、いつまで続けるのだろうか。

無所属・諸派

今回、無所属・諸派の当選者が0だった。実は、これは参院選では初めてのことである。(参院選は多党推薦で無所属で立候補して当選するケースがわりと多い。)民主党が自党公認候補にこだわった結果とも言えそうである。それが惨敗の原因の一つであるとも言えそうだ。

あと、知名度も組織もないような無所属の候補が、5桁の得票数を獲得しているケースが目立った。それに負けているのが幸福実現党だったりする。何か、そういう候補に共感を覚える人が少なからずいるということか。


第22回参議院選挙投開票

今日、第22回参議院選挙の投開票であった。

まだ全ての結果は出ていないが、全体的には、民主党の敗北で、自民党の勝利と言ってももいいだろう。

比例区は民主>自民なのだが、選挙区では自民>民主、になりそう。選挙区では、反民主票が自民が吸い上げたという様相だ。

民主党はもともと鳩山総理で支持率が下がっていたのを、菅総理になって支持率が持ち上がったかのように見えたのだが、そんなに簡単に民主党の支持率が上がったわけではなくて、ここまでの民主党中心の政権運営にずっと疑問符がついていて、それがこの結果に結びついたと見るべきではないだろうか。

個人的には、民主党を選挙で勝たせてきたあの人が裏に引っ込んだ影響がけっこう大きいのではないかと思う。何かと問題があると言われているあの人ではあるが、あの人なしでの選挙は苦しく、その状態が続くと与党から転落することも現実的なものになるのではないかと思う。


選挙で投票すべきか

この時期になると、投票率が低いのはよくないとか、選挙で投票しましょう、というようなことが言われ、投票率アップのキャンペーンみたいなことも行われるのだが、私としては、嫌がる馬に水を飲ませるように、嫌がる人に投票させる必要はなくて、投票しないという選択肢も認めるべきだと思う。

確かに国政選挙の投票率は昔に比べれば下がってはきているのだが、昔に比べると、所属する組織のしがらみから投票するような人は減ってきていると思う。たとえば、XXさんに言われたから、○○さんに入れる、とか。自分の意思で投票する人が多くなった分、自分の意思で投票しないことを選ぶ人が多くなったと考えれば、それほど悪く言うことでもないのではないか。もっとも、実際は単にわからなくて投票しない人が多いのかもしれないけど、単にわからないけれど言われた人に投票する人も、結局何もわかっていないわけで。私としては「最近の若者は投票しなくて、政治離れがすすんで云々」という意見は、100%は正しくはないと思っています。

ただ、選挙に行かない人の理由として、「自分が一票を投じても何も変わらない」というのがあるわけだけど、それは考え方によるのではないか。「自分が一票を投じた思いが世の中を変える」というような考え方もできる。考え方は人それぞれだが、後者のように考えたほうが何かと楽しいとは思う。


たちあがれ日本と日本創新党が選挙協力

http://www2.asahi.com/senkyo2010/news/TKY201006220476.html

たちあがれ日本の青森、茨城、神奈川選挙区から立候補する候補者を日本創新党が推薦し、日本創新党の千葉、大阪選挙区から立候補する候補者をたちあがれ日本が推薦するとのこと。東京は競合するから置いておくにしても、日本創新党は熊本からも候補者を出して、熊本はたちあがれ日本の園田幹事長の地元なのだが、ここでは選挙協力しないのだろうか。自民党候補者を支援するんだったか。

たちあがれ日本と日本創新党は選挙後統一会派を組むというが、そもそも日本創新党が議席を取らないと統一会派も何もないような、と。ただ、野党が選挙協力して、その後も協力体制を取っていく必要はあると思う。ばらばらのままでは与党を助けるだけだろう。そういう体制の核に自民党がなるべきだと思うのだが、自民党は公明党と一部で選挙協力をやる以外はこれと言った協力体制はない。自民党が存在感を示すためには、単独で政権を奪取するのか、他党との連立で政権を奪取するのかを見据えた活動を行うべきだと思う。民主党が民社国三党連立体制で選挙を戦ってきたように。(もっとも政権奪取後一年持たずにその体制は崩壊してしまったが)

日本創新党は当初の「首長新党」という性格が薄れて、保守色が強くなってきたという印象がある。たちあがれ日本も中山成彬元衆議院議員を引っ張り出してきて、ますますそういう感じだ。

他の野党だとみんなの党が一時の支持率の高さを背に独自に候補を擁立してきているが、最近支持率は落ち着いてきている。新党改革は浮いた存在になっている。


菅内閣が発足

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100608-OYT1T00986.htm

菅内閣が発足。結局、鳩山内閣から再任の大臣が多く、OUT 鳩山,平野,赤松,枝野,福島、IN 野田,山田,蓮舫,玄葉,荒井、ということになるか。平野官房長官、赤松農水相が再任されないのは妥当だが、他にも再任がふさわしくない大臣がいるのではないか。鳩山首相が辞意を表明する前に閣僚が慰留したという話だが、それは自分の地位がなくなることを危惧してのことではないか。それでこの結果では、まるで鳩山首相を追い出して他の大臣が居残っているみたいだ。9月の代表選後に内閣改造を行うという話もあるが、公式に明言しているわけではない。一新というよりは、半新したという印象だ。

支持率は鳩山内閣末期に比べれば上がっている。野党側は選挙目当てと批判している。選挙目当てはその通りだと思うが、与党側には切ることができるカードがあって、野党側にはそのカードがなかった、というだけの話であろう。選挙で負ければ首相が辞任に追い込まれることになる。負ける前に交代したほうが賢明であろう。

思うに、親小沢とか、反小沢とか、そういう対立軸で争うのはばかばかしいし、そういうことをとりあげることもばかばかしいことではないか。小沢一郎という名前に振り回されすぎているように感じる。


鳩山首相辞任表明

http://www.asahi.com/politics/update/0602/TKY201006020114.html

鳩山首相が辞任を表明。あわせて小沢幹事長も辞任と。

個人的に、問題は大きく挙げれば二点あったと思う。一つは、鳩山首相の言葉が軽かったこと。コロコロ話が変わるのでは、国民としては信頼できない。もう一つは、人事の問題。初めての民主党を中心とした組閣で、いきなりベストな布陣をとるというのは難しい。柔軟に内閣改造をしながらベストな布陣を作り上げたほうがよかったと思う。しかし、実際は健康問題という名目で藤井財務相を変えただけ。問題となる閣僚は何人かいたが、そのままの形で9ヶ月間引っ張ってきてしまった。ここに来て最低でも内閣改造は不可欠な状態となったが、ここで内閣改造をしたら、自分だけは居座って…、という批判は免れない。そういう意味でも潮時だったのではないか。

この辞任が遅すぎたという意見については、批判するための批判であろう。普天間移設問題の解決期限とした5月末の前に辞めるのはおかしいだろう。この時期での辞任は妥当かと思う。

また解散総選挙を求める声もあるが、去年やったばかりだろう、と。野党も解散総選挙を求めていくというが、現職をそのまま出せばいい民主党と違って、自民党なんかはまだ次期衆院選の候補者空白区が多数ある。野党同士の選挙協力をどうするか、選挙協力しないのかも煮詰まっていない状態で総選挙をして困るのは野党のほうだろう。そういう意味でも、戦略的な衆参ダブル選の可能性もゼロではないが、そこまで冒険はしないのではないか。

次期首相は菅副総理が有力視されているが、どうだろうか。私としては使い古しというか、あまり魅力を感じないのではあるが。本人の意欲はあるようだが。ただ、次の首相は菅さんのような「非自民」が絶対条件だと思う。1955年の鳩山一郎内閣から始まって、非自民政権の細川、羽田も自民党出身、次の村山も自民党との連立内閣、その後自民党の首相が続いて、鳩山由紀夫首相も自民党の出身。自民党の系譜は鳩山で始まって鳩山でひとまず終わり、としたい。


社会民主党が連立離脱

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100530-OYT1T00466.htm

去年の12月に書いた記事のだいたいそのとおりになったので、たいして驚きはしない。与党の中で社民党が存在するには、相当難しい舵取りが迫られると思っていたが、結局理念を優先して野に下った形だ。

社民党が米軍基地問題だけは方針を貫いて、もう少し中道寄りになれば、無党派層の票を集めそうなのだが、なかなか組織的に難しいのだろう。

まだ、参院選までいくつか波がきそうな予感はする。

しかし、世論調査で社民党の支持率が上がったらしいが、ちょっと単純すぎはしないか。社民党を支持するようになった人たちって、少し前は小泉支持で、ちょっと前までは鳩山支持だった人なのではないだろうか。


普天間基地移設問題雑感

結局、普天間基地移設はほぼ現行通りに落ち着くようで。まとまっていないので、この件についてつらづらと書いてみる。

最初は「最低でも県外」と言っていたのを、途中から「ゼロベースで」という言葉を使うようになったのだが、普通逆だろう。「ゼロベースで」で検討してから、「最低でも県外」なのか「現行どおり」なのかを判断するのが順番としては正しい。

ゼロベースで考えるのであれば、日本の国防自体をゼロベースで考えるべきだと思うのだが、そこまでは議論を展開させたくないという本音が、様々な陣営から透けてみえる。民主党に対する自民党としても、この問題の類火が自党に及ぶのを避けているような印象を受けた。

また、沖縄の仲井真知事は当初は県内移設を容認するような姿勢をとっていたのだが、選挙で支持を受けた中央の自民党が頼りなくなったからか、県内の声を無視できなくなったのか、現在では反対する姿勢をとっている。

自民党の石破政調会長が「パンドラの箱を開けてしまった」という表現を使っていたのだが、結局のところ慌ててパンドラの箱を閉めて終わってしまうのではないだろうか。

結局のところ、この問題で鳩山内閣に批難が集中しているうちはアメリカとしても安泰であろう。沖縄の米軍基地が持つ「抑止力」は、アメリカさんを怒らせることを抑止する力なのだ。何だかんだ言ってもアメリカさんは怖い、一方鳩山内閣はそれに比べると怖くない、ということなのだろう。