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次期参院選立候補予定者をまとめてみた

次期参院選立候補予定者をまとめたものがインターネット上に見つからなかったので、自分でまとめてみた。

http://politics.free-active.com/note2/index.php?2010%C7%AF%BB%B2%B1%A1%C1%AA%CE%A9%B8%F5%CA%E4%CD%BD%C4%EA%BC%D4

それなりの数の候補を擁立する予定の政党が11と、いつもよりも多い。東京選挙区なんて、今のところ新党改革以外の全政党が候補を擁立する予定である。新党改革もおそらく出すだろう。民主、自民が2人づつなので、それだけで13人である。

あと、自民党の比例区で、元衆議院議員がやけに多いのが気になった。現職、元職を除いて新人だけで9人いる。新人は24人、自民党国会議員でなかった柴野多伊三氏を例外にするにしても、新人の1/3が元衆議院議員になる。前回の選挙では民主党が元衆議院議員が多かった。衆院選大敗の後の参院選はそうなるものなのか。


大阪市議会議員補欠選挙で大阪維新の会公認候補が勝利

http://www.asahi.com/politics/update/0523/OSK201005230054.html

橋下知事が率いる大阪維新の会の公認候補が大阪市議会議員補欠選挙(福島区)で当選した。

この選挙区は定数が2で、2003年には自民党候補が2名当選、民主党、共産党候補が落選。2007年には自民党候補と共産党候補が1名づつ当選、自民党、民主党候補が1名づつ落選。そして、今回は共産党議員が参院選立候補に伴う辞職で補選となった。結果は、大阪維新の会公認の広田和美候補が当選。次点で共産党の山田みのり候補、次いで自民党太田晶也候補、民主党国本政雄候補、庶民奉行の会上畑俊治候補。

最近、大阪では大阪維新の会が勢力を伸ばしているようだが、あくまでも大阪のローカル政党であることを貫いていて、国政には直接的に関与しない姿勢はいいと思う。国政では必要に応じて既存勢力と連携をとっていくという姿勢なのだろう。橋下人気という武器を使いつつ、他勢力と連携ととれるような立ち位置を保つ戦略性はなかなかだと思う。


参院選を前にして各党の議席数

参院選を前にして、各党の参議院での議席数をまとめてみた。

政党 改選議席 非改選議席 合計
民主党 54 62 116
国民新党 3 3 6
社会民主党 3 2 5
自由民主党 38 34 72
公明党 11 10 21
日本共産党 4 3 7
新党改革 5 1 6
たちあがれ日本 1 1 2
みんなの党 0 1 1
幸福実現党 0 1 1
無所属 1 3 5
欠員 1 0 1

議長、副議長はそれぞれ民主党、自由民主党でカウント。

半数は121なので、民主党は60議席を獲得すれば単独過半数になる。また、与党三党で54議席以下の場合は過半数割れとなるが、無所属で与党系会派に所属しているのが1名、与党系無所属議員が1名いるので、野党としては、完全に与党を過半数割れに追い込むには、59議席(そうなると与党三党で52議席)を獲る必要があるということか。

自民党の尾辻秀久参院議員会長は「改選される121議席のうち、約20議席を自民、民主以外の党が取る」と分析。「残りの100議席を自民、民主が取り合い、自民の方が多く取れば勝利だ」と、わかりやすい勝敗ラインを設定。確かにそうだ。けっこう、自民党としてはハードルが高いとは思うが。


次期参院選は7月11日の見通し

http://www.47news.jp/CN/201005/CN2010052001000860.html

次期参院選は6月24日公示、7月11日投票の見通し、と民主党の小沢幹事長。最近では参院選は7月に行うのが暗黙の了解となっているが、以前は6月にも行われていた。後に引っ張ってあまりいいことはないと思う。三連休の中日に投票になればひどいが、その翌週もぎりぎりなので、11日が妥当といったところか。

どこが勝ったかわからないような、しぶーい結果になるのではないかと予想。

いつもの選挙特集だが、6月に入ってから様子をみつつ開始していきたいと思う。


去年以降にできた主な新党

去年から今年にかけてできた新党をまとめてみた。新党改革は2008年にできた改革クラブが名称変更したものだが、実質新党として含めている。

政党名 成立年月日 代表者 所属国会議員 他の主な関係者
みんなの党 2009年8月8日 渡辺喜美(衆・栃木3) 江田憲司(衆・神奈川8)
山内康一(衆・比例北関東)
柿沢未途(衆・比例東京)
浅尾慶一郎(衆・比例南関東)
川田龍平(参・東京)
水野賢一、小野次郎、清水鴻一郎
小熊慎司、柴田巧、桜内文城
菊地文博、宮越馨、真山勇一、井坂信彦、佐藤正夫
松田公太、江口克彦
新党改革 2010年4月23日
(改革クラブから党名変更)
舛添要一(参・比例) 渡辺秀央(参・比例)
荒井広幸(参・比例)
矢野哲朗(参・栃木)
小池正勝(参・徳島)
山内俊夫(参・香川)
たちあがれ日本 2010年4月10日 平沼赳夫(衆・岡山3) 園田博之(衆・熊本4)
与謝野馨(衆・比例東京)
中川義雄(参・北海道)
藤井孝男(参・岐阜)
升田世喜男、岡佑樹、村岡敏英
三木圭恵
中畑清
幸福実現党 2009年5月23日 石川悦男(非議員) 大江康弘(参・比例) 大川隆法、ドクター・中松
日本創新党 2010年4月18日 山田宏(杉並区長) なし 中田宏、斎藤弘
岡野俊昭、清水哲

この中で頭一つ抜け出しているのは、やはりみんなの党であろう。次期参院選への候補者擁立も進んでいる。ただ、全選挙区に候補者を擁立する目標は掲げているが、支持率が高いと言っても民主党、自民党には及ばず、また、組織的にも脆弱で、ほとんどの選挙区で落選するであろう。比例票の掘り起こしという目的もあるだろうが、あまりに結果を出せないと今の追い風ムードがしぼむこともあり得る。比例では民主、自民、公明に次ぐ議席数を得るのではないかと勝手に予想。

新党改革はまさに舛添さんが新党を作りたくて改革クラブを居抜きで使ったという、「ロードサイドのハイエナ」ならぬ「政党政治のハイエナ」と言ったら怒られるかもしれないが、そんな感じだ。未だ次期参院選の候補者も正式に発表していない。(小池正勝議員は立候補するようだが。)あと、多くの人が思い違いをしているかもしれないが、舛添氏本人は非改選なので次期参院選には立候補しない予定である。他の5人は改選である。このままだと、次期参院選以降政党要件を維持するのは難しいか。

たちあがれ日本は、古い自民党色を出していけばそれなりに支持を集めるのかもしれないと思った。新党の中で、復古的な要素があるのはたちあがれ日本くらいしかない。これは逆に他党との差別化につながる。今まで発表している立候補者は、平沼系と与謝野系でけっこうはっきり分かれていて、平沼派、与謝野派と考えれば、ますます古い自民党っぽくなるか。1議席獲得できると政党要件は維持できるので、現有議席死守が至上命題になるか。

幸福実現党をここで書くことになるとは思わなかったのだけど、国会議員1人所属しているわけだから仕方がない。とにかくこの党は代表も方針もころころ変えるし、どうなるかわからない。さすがに選挙で議席を獲ることはないとは思うが、政党要件を狙いにいくのかが焦点の一つになると思う。

日本創新党は地方首長経験者が中心となっており、現役知事も支援はしているようだが、今のところは様子見をされている状態ではないか。選挙で惨敗したらもう終わりになると思う。今のところあまりインパクトはないと感じる。元銚子市長の名前が出てきたのはプチ・サプライズではあったが。

他にも、少なくとも、民主党、自由民主党、公明党、国民新党、社会民主党、日本共産党が次期参院選に候補を擁立するわけで、次期参院選はかなりの候補者乱立の選挙になりそうだ。


大江康弘参議院議員が幸福実現党に入党

http://www.asahi.com/politics/update/0514/TKY201005140491.html

「入信はしない」らしい。しかし、入党の会見で、「入信はしない」と言うこと自体異例だよな。

数日前にこの報を聞いたときは、ちょっと信じられなかった。ドクター・中松を入れるくらいだから幸福実現党自体は外部の人を入れることを厭わないのだろうが、そこに入っていく国会議員がいるとは。

これで幸福実現党が次期参院選で選挙区か比例区で2%の得票率を獲ると政党要件を満たすことになる。全選挙区で候補を擁立すれば、比例区よりは選挙区のほうが得票率は高くなると思う。幸福実現党は全ての選挙区で候補を擁立する方針だったが、お得意の方針転換でその方針を取りやめた。しかし、最近になって一度擁立を取りやめた選挙区に候補をまた立てている。2%を目指すのであれば全選挙区に候補を立てるだろうが、幸福実現党のことだからどうなるかわからない。2%獲らなくても4人当選すれば政党要件を満たすことになるが、それはないだろう。

報道機関は政党要件を満たしていないと諸派扱いだが、私が管理している政治情報ライブラリでは、1人以上国会議員が所属していれば諸派扱いしないことにしているので、幸福実現党を諸派から諸派以外にする作業をする必要がでてきた。それにしても、幸福実現党が諸派でなくなるとは思わなかった。


みんなの党に関する所感

新党が続々とできているが、そんな中で支持率を伸ばしているのが、前回の衆院選前に結党したみんなの党である。

みんなの党が人気である理由に主張が明確でぶれていないという点があるようだが、現状はこれといった実績もない。地方選挙には積極的に候補を擁立しているが、それ以外は、議員は各々の活動をしているだろうが、党としては渡辺代表の発言が目立つ程度である。

次期参院選にも積極的に候補者を擁立するようだが、現時点で立候補を表明している人の顔ぶれを見ると、ちょっと地味な感じがする。現時点で全国的に知名度があるのは、元テレビキャスターで調布市議の真山勇一氏くらいか。もっとも、党名で投票がする人が多いだろうから、候補者としては他の知名度が高い候補者が立つと困るというのが本音だろうか。

あと、上り調子のときはみんながちやほやしてくれるのだが、一つ問題が出て人気が下向きになると一気に叩かれるものである。みんなの党の場合、いまだ組織は脆弱で人気に依存しているので、下向きになると立ち直れなくなる。展開の先を読んで戦略を練っているのであればいいのだが、個人的にはここまでの成り行きを見ていると、そういう風には思えなかったりする。

いずれにせよ、現状ではみんなの党は国会議員6名の小政党である。1996年に発足した民主党は結党時に国会議員は55名が所属していた。最近では新党を作るとなるととにかく政党要件を満たす5名を揃えることが目標となっている感があるが、本来は数十名くらいの国会議員が所属しているくらいの規模がないと影響力を持たないものだと思う。国会議員4名で始まった日本新党も一時は人気が高い政党であったが、結局新進党に合流という形で2年半で解党している。

いろいろ考えるに、みんなの党は、このまま「期待できる」止まりで続いていくか、「民み連立政権」に参加するかのどちらかな、と。それができないと沈んでいく、と。他のビジョンが見えない。党としてのビジョンを語ってくれればまだ信頼できるんですがね。


新党改革旗揚げで改革クラブ終了

http://mainichi.jp/select/today/news/20100423k0000m010077000c.html

自民党を離党した舛添要一、矢野哲朗、小池正勝参議院議員と、改革クラブの渡辺秀央、荒井広幸、山内俊夫参議院議員で新党改革を旗揚げするという。自民党離党組が改革クラブに入党して、改革クラブが新党改革に名前を変える形をとるという。改革クラブの中村喜四郎衆議院議員と大江康弘参議院議員はこの動きに反発して改革クラブを離党するとのこと。

国民的に人気があるとされている舛添要一氏の動向は注目されていたが、結果的には改革クラブと合流して党名は新党改革という、あえて誰もやらなかったようなことをやらざるを得ないような結果になった、と言うべきか。自民党としても舛添氏を活かすような方策をもっと考えてもよかったとも思うが、離党に追い込むような対応をとってしまっていることに限界が見える。民主党政権の支持率が下がっているのに、自民党の支持率が上がらない実態の原因が如実に現れている。

新党改革だが、参議院議員が6人、そのうち次期参院選で改選を迎えるのが5人と、いきなり次期参院選が正念場となる。改革クラブを居抜きで使って、当面は政党助成金を頼りにした低コストの党運営を行うのだろうが、それだと今までの改革クラブのようにどうしても発信力が弱くなるだろう。そこで資金面で頼りにすべく鳩山邦夫氏を迎え入れるのかもしれないが、そうなるといよいよ「廃品回収政党」的な面を帯びてくる。

そういうわけで、舛添さんに取り込まれるような形で改革クラブは終了。元々、民主党からの不満分子を中心にして作られて自民党の別働隊みたいな政党だったわけだが、自民党の不満分子の受け皿となって果てたというのは運命の皮肉か。当時は違和感があった「改革クラブ」の名前だが、「新党改革」になるための名前だったと考えればその名前に意味があったと考えられるのかもしれない。


たちあがれ日本の略称「日本」に新党日本田中康夫代表が不快感

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100413-OYT1T01027.htm

たちあがれ日本が略称を「日本」と届け出る方針らしく、同じく略称を「日本」としている新党日本の田中康夫代表が不快感を示しているとのこと。

略称が重複しても問題がないのだが、紛らわしいし、普通はしないだろう。「たちあがれ日本の幹部は「『たちあがれ』でも『日本』でも得票できる」と狙いを話す。」と言っている以上、確信犯だからひどいものである。ただ、新党日本も正式名称を「日本」、略称を「新党日本」にしようとして、正式名称より略称のほうが長いのはおかしいと言われて逆にした経緯があるから、あまり人の事も言えないのではないかとも思う。

それより、新党日本は次期参院選に候補者を擁立するのだろうか。


たちあがれ日本はたちあがれるか

今月10日に平沼赳夫、与謝野馨氏を中心として「たちあがれ日本」が結党されたが、現時点では厳しい評価となっている。

当初、政党要件を満たす5人を集まるのは問題ないというようなことを言っていたが、5人目を集めるのに難航したようで、なんとか中川義雄参議院議員を新党に参加させることができた。まず、政党要件を満たせる5人を集めるのに苦戦している時点で、その政党の見通しは暗いと言わざるを得ない。「小さく産んで大きく育てる」と言ってるが、大きく育つ前に無くなってしまいそうである。

この新党は「平沼新党」とも言えるし、「石原新党」とも言えるわけだが、前々からの期待値に比べると、できた新党はかなり小さいものだった。どうも周到な準備もなしに慌てて新党を結党したような印象を受ける。新党結成カードは一回しかきれないわけで、そのカードをこんな形できってしまったというのは、もったいないように思う。確かに参院選まで時間はないからタイミングとしてはこのタイミングしかないわけだが、それにしてもその前に時間があったんだから、もう少しうまくできなかったのか、と。平沼、与謝野で新党を組むのであれば、事前に親和性を醸し出しておくとか。いきなり同級生だったと言われてもねぇ。

反民主党で、自民党のためとまで言っている参加者もいるが、これは自民党を離党して新党を結成する大義名分に過ぎないと思う。言い訳と言うべきか。

次期参院選の目標議席は少なくとも10議席というが、それは無理だろう。そもそも10人候補を擁立できるのか、と思ったが、15~20人の候補を擁立するという。定数が複数の選挙区に擁立するというが、場合によってはたちあがれ日本の候補者によって、自民党の候補を落選させるような結果になるかもしれない。いちばんそういう可能性があるのは大阪か。そういう意味では自民党にとっては脅威になり得る政党だと思う。

英語名は「The Sunrise Party of Japan」とのこと。略称はどうするのか。「たちあがれ」かな。報道機関はどう略するのか。政党要件を満たしているから諸派にはできないし、「たちあがれ」だと長くなる。私が管理するサイトでは、三文字以内に略すべきところでは「たち」と略する予定。