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少し間が経ったが、東京都知事選挙雑感。
当選した小池百合子氏だが、出馬表明から当選までのストーリーが上手く作れたと思う。元々自民党所属の衆議院議員だが、自民党都連主流派との元々からの対立構造を露わにした上で、自民党と袂と分かってまでも都知事選に立候補する姿勢を見せ、そこからはトップを走り、300万票近い得票を集めて当選した。与党である自民党とはある程度融和を図るのだろうが、来年の都議選をにらんで第三極崩れの人たちが小池氏を支持したという面もあるので、自民党にぐっと寄るということはできないだろう。
自民党、公明党は元岩手県知事の増田寛也氏を推したが、得票数は二位だったものの、選挙戦中では埋没した感が否めなかった。元々、新進党推薦で岩手県知事になった人で、小池百合子氏とは近い立場にいたということになるが、そういうことも話題にならなかった。
一方、野党が推した鳥越俊太郎氏。いろいろな名前が出ては消えて最終的に鳥越氏が立候補したのだが、高齢かつ行政経験が無いというのはマイナスであった。手を上げていた人がその手を下ろしてまで「野党統一候補」にこだわったわけだが、民進党としては、候補者選びで主導権をとりたいという意図があって、基本的に自分で手を上げた人ではなく、党が主導的に選んだ人を立てたかった、という姿勢が透けてみえた。そういう面子にこだわった結果勝てなかったかと思うが、そもそも小池氏があれだけ票を取ると敵わないだろう、とも言える。
今回の都知事選挙は21人の候補者が立候補していて、普通に街を歩いても、候補者が選挙活動をしているところが見られた。当選することはないだろう候補者の、街に出て政策を訴える姿こそが民主主義の原風景ではないか、とも思った。