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開発者が逮捕されたことによって、今まで知らなかった人にもその存在を知らしめたWinnyであるが、このツールの最大の問題点は著作権侵害よりも、機密情報の漏洩にあるのではないだろうか。もちろん、著作権の問題点も重要なのだが、警察が最も問題としているのが、捜査の資料が流れてしまったことであるような気がする。公権力としては、自らが保持する情報が広く知れわたるのは一大事である。こういう文書が流れるというのはほとんどの場合内部の人間が漏らしているわけで、規律の乱れが背景にあるのだろうが、それを是正していくのは並大抵のことではない。だから、既に機密情報が流された実績があるWinnyを目の敵にした、と。もちろん機密情報が漏れた責任を取れ、とは言えないので、著作権の侵害を幇助したということにして。
ただ、情報管理を徹底するといっても難しい。企業は少なからず取り組んでいるが、それにしたって万全ではない。役所がそれを上回っているとは思えない。結局は一人一人の倫理観に依るのだが、それに問題があるから様々な事件が起こっているのだろう。