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週刊東洋経済の2010年4月3日特大号を見たところ、宇都宮のLRT計画は後退したそうで。
政権交代が影響しているとは書いてある。民主党の県連レベルではLRTに反対している。本当にそれが直接影響しているかはわからないが、民主党県連の「愛知県小牧市の桃花台線など、新設しても廃線になる路線や不採算にあえぐ路線は多い。渋滞緩和が目的なら、連接バスなど初期投資の負担が軽い交通機関を先に検討すべきではないか」というコメントは至極もっともである。LRTありきの計画に無理が生じてきたのではないか。
また”LRTに詳しい交通コンサルタントの”阿部等氏のコメントとして「普及のためには、むしろ車両のコストや人件費を引き下げ、経済合理性でバスを上回ることを目指すべき」とあるが、公共交通をトータルで考えた場合、合理化、価格競争でLRTがバスに勝つことにあまり意味はないように思う。むしろ安全やサービスの低下など、負の面が大きくなるのではないか。
富山の場合、既存施設があって、それらを組み替えて足りない部分を若干足す、ということができるという意味では、LRTを中心とした街作りをできるに恵まれた環境であったと言える。そうでもない都市が、富山をそのまま見習うのは無理がある。富山市の森市長は「まずはごく小規模なものでも実験的に走らせてみて、市民の反応をみるのも手かもしれない」とコメントしている。私が以前、宇都宮だと桜通十文字~JR宇都宮駅を作るのがいいと書いた。距離が短く、片道3車線で、利用者も比較的多く見込める、第一期として建設するならこの区間だろうと。しかし、その記事に対して、宇都宮市東部の住人の方に、大通りは後回しにして先に作るのならば東のほうだ、というコメントをもらった。それぞれの思惑があるとうまく計画を進めるのは難しいものだと思う。