吉田初三郎式鳥瞰図「湯川根崎温泉圖繪」

Views: 6

https://iiif.nichibun.ac.jp/YSD/detail/005533310.html
去年の今頃このあたりに行ったのであった。今は根崎も湯の川温泉の一部になった感があるが、当時は併称されていたようだ。根崎温泉の説明として明治後期の話として「当時は未だ一定の道路さえなき辺鄙の漁村」だったが、湯量が増加して設備が整い賑わい始めた、とある。湯川温泉は明治31年から馬車鉄道が開通しており、だいぶ差ががあったようだ。
この図は1928年に作製されたものであるが、当時はまだこのあたりは湯川村であった。そのため役場が記載されている。1939年に湯川村は函館市に編入されている。1913年に函館馬車鉄道を買収した函館水電が路面電車を走らせており、その路面電車も記載されている。東雲線やガス会社前方面など今では廃止となった路線の記載もある。遊園地前という電停があるが今の函館アリーナ前電停であり、明治初期まで湯川遊園地が存在したが、函館大火により再建できず放置されたとのこと。電停自体も一旦廃止になるが、1983年に市民会館前電停として再開業している。その他湯川温泉付近は色々と施設があるが、根崎温泉にあるのは自動車発着所、水産事務所、地引網のみである。やはり漁村の色合いが濃い温泉街だったということか。