吉田初三郎式鳥瞰図「室戸岬案内 : 日本八景 : 室戸岬案内鳥瞰圗」

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日本八景というのは1927年に新聞社主導で決定された八つの景勝地で、日本三景や富士山などは除外されている。室戸岬、十和田湖、温泉岳(雲仙岳)、木曽川、上高地、華厳滝、別府温泉、狩勝峠がそれにあたる。この図が作製されたのが1936年でその頃は日本八景は通じるものだっただろうが、現在では日本八景を知る人はほとんどいないであろう。
室戸町と津呂に、大阪、甲浦、高知方面への航路が出ている。当時は道路事情もよくなかっただろうから、船が主要な交通機関だったのであろう。今は航路は無くなっている。室戸町は1910年に町制施行、津呂町は1928年に町制施行し、1929年に室戸岬町に改称している。当時は二町あわせて人口18000人以上いたが、現在では他二村と合併した室戸市の人口で10000人未満となっている。
室戸岬ホテルというホテルが描かれているが、現在このあたりには岬観光ホテルというホテルがある。建物は1933年に建てられホテルとなったのが1935年、登録有形文化財に指定されている。描かれている絵が現在の岬観光ホテルの姿に似ており、岬観光ホテルの前身が室戸岬ホテルということなのかもしれない。