2008年06月一覧

読売新聞の社説がサマータイムを導入してみてはという

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20080603-OYT1T00838.htm

一つ、社説の中に嘘というか誤解を生む文章がある。

社会経済生産性本部の試算によれば、サマータイム導入で、家庭の年間エネルギー消費量は、原油換算で例えば青森県1県分ほど減らすことができるという。

社会経済生産性本部ではサマータイム導入で総エネルギー消費量が93万リットルの削減になると試算しており、これが青森県の家庭の年間エネルギーに相当するというのが正しい。総エネルギーというのは家庭、工場、運輸全てを含んだエネルギー消費量である。家庭の年間エネルギー消費量だけで青森県1県分になるわけではない。これを青森県1県分とかそういう表現で表そうとするからおかしくなる。93万リットルだったら、約0.2%と表現すべきではないか。多分、約0.2%と表現するとあまりに少なくて「サマータイムを導入する意味ないじゃないか」という声が強まるからできないのだろうけど。

それにしても、他のブログなどでサマータイム賛成という意見はほとんど見かけない。だいたい賛成しているのは、経団連、大部分の政治家、金属労協、そして読売新聞。

サマータイムについてはこれからも何度となく書きそうなので、夏時間というカテゴリを作成することにする。


東武東上線ダイヤ「改正」

来る6月14日に東武東上線のダイヤ改正が行われるということでラッシュ時間帯の時刻表が配られている。私も見てみたが、一言で言えば「不細工なダイヤ」だ。今までのパターンダイヤが崩れてわかりにくいダイヤになっている。

まず、朝ラッシュのダイヤについて。7時台の志木駅発の列車は以下のようになっている。括弧内数字は志木始発の列車。

種別 「改正」前 「改正」後
急行 0 2
通勤急行 7 4
準急 6 6
普通 9 (9) 7 (5)
有楽町線直通 7 (0) 5 (1)
副都心線直通 0 6 (2)
新線池袋行 2 0
合計 31 30

「改正」したのに減っている。和光市から地下鉄に乗り入れる列車が増えている分、東上線池袋行きは更に減っている。特に私がいつも乗る志木始発の普通列車は半分近くに減らされており、これは何かしらの影響がでそうだ。普通列車は本数が減らされている上、所要時間もかかるようになり下赤塚から北池袋までの利用者は今度のダイヤ「改正」で何もいいことがないと思う。まさにダイヤ改悪だ。

今まで通勤時間帯でもある程度のパターンダイヤになっていたのだが、「改正」以後はまちまちである。

ちなみに森林公園の利用者の場合、運転本数は変わらない上、池袋までの所要時間も3分くらい短縮されるようだ。よかったですね。

次に夜のラッシュについて。20時台と21時台の池袋駅発の列車は以下のようになっている。ちなみに18時台から20時台までは同じパターンである。

20時台/種別 「改正」前 「改正」後 21時台/種別 「改正」前 「改正」後
TJライナー 0 1 TJライナー 0 1
急行 5 5 急行 4 5
準急 5 4 準急 4 3
普通 10 8 普通 8 8
合計 20 18 合計 16 17

ここでも普通列車が減っている。朝に比べれば夜の普通列車はそれほど混まないが、乗車機会が減少する点では同じである。TJライナーが増えた分、準急が減る結果に。準急が減るのはまあ容認できる。池袋口では急行に比べて準急は空いている。準急が混むのは和光市で和光市止まりの地下鉄から客が乗り換えたときである。一方、急行停車駅利用者も急行に乗って和光市や志木から地下鉄直通の各駅停車に乗り換えるのを多くみかける。要するに途中で乗り換えろということだろう。

今まで20時台であれば優等列車と普通列車が6分間隔という美しいダイヤだったのだが、「改正」後はばらばらである。なお21時台は1便増えている。

結局、基本的には減便なのだろう。「また、混雑を緩和し、より多くのお客さまに着席していただけるように、池袋に発着する8両編成の列車をすべて10両編成化します。」とあるが、編成を増やしても減便をすれば混雑は緩和せずに悪化するだけである。結局、若干のスピードアップも「お客様混雑」による遅延で前と変わらない、もしくは前よりも遅くなるような予感がする。ダイヤ改正で恩恵を受ける人もいるのだろうが、美辞麗句を並べてダイヤ改正の宣伝をするにしても「効果には個人差がございます」とでも申し添えておいたほうがいいのではないか。


村上正邦・平野貞夫・筆坂秀世「自民党はなぜ潰れないのか―激動する政治の読み方」

村上正邦、平野貞夫、筆坂秀世の三氏の鼎談という形(最終章では亀井静香が加わる)で自民党を中心とした政治に関する話がまとめられている。政治に関する知識があるという前提で話が進んでいくので、そういう知識がないと読むのは難しいかと思う。私としては興味深く読むことができた。すべてが真実かどうかはわからないとしても、裏表のなさは感じる。全てに対して共感できるわけではないが、三氏とも教養も含めた知識も一通り備えていることは伺えるので、それなりに説得力はあると思う。知識については年の功もあるだろうが。現職国会議員にそういうものを持っている人がどれだけいるかと考えると疑わしくなる。

以下、平野貞夫のちょっといい話。

麻生太郎の話から(p.66)

平野 そもそも親父の麻生太賀吉という政治家に問題があるんですよ。福永健司、保利茂、麻生太賀吉、坪川信三は、麻雀ばっかりやってたんだから、吉田側近の中でいちばん評判が悪かった。それで林譲治、小沢一郎の親父の小沢佐重喜、益谷秀次なんかが苦労ばっかりしていた。

自民党と社会党が裏でつながっていた話(p.87)

平野 地下水脈でつながっていたのが、表に出てきた。社会党には巨額の金が流れていました。社会党の何十周年記念かで、金丸信は社会党の田辺を通じて億単位の金を渡していますよ。

その後、衆議院の定数是正の法案を出したときに、社会党がなかなか言うことを聞かなかった。言うことを聞かせるために、僕がその理屈を考えてメモを作ったんですよ。それは「選挙制度というのは、最大の政治倫理法である。これを審議拒否するというのは、政治倫理に反するということだ」という内容でした。ところが金丸は勘違いして、「あんなに金をやっているのに協力しないのは政治倫理に反する」と言ってしまったんです。大騒ぎになりましたよ。

角田義一に野党を統一するアイデアを聞かれて(p.170)

平野 (略)それで私は大きな声で「それは民主党も社民党もそれから仲間の無所属も全員共産党に入党すりゃいい」って言ったわけよ。そうしたら市田書記局長が怒ってね。「平野さん、ここは本会議場ですよ。冗談言わないでください」って(笑)。そうしたら角田が「そりゃあいい案だけど、おまえなんか入れてくれるかどうかわからんぞ」って(笑)。

衆議院議長を土井たか子にしようと思っていたら、連合山岸章会長が田辺誠に「おまえやれよ」と言ってしまい、田辺議長という雰囲気になってしまった中、田辺誠に温州みかんを土産に説得に行ったとき(p.234)

平野 田辺さんの家へ行きまして、口上を言いましたら、田辺さんも喜んでくれましてね。「社会党の国会議員にそんな気を使う人間はいない」「夏にみかんが食えるなんて」と。田辺さんの方から「心配してくれてありがとう」って。「一切任せるから心配するな」と言うわけです。やはり政治家ですよ。

筆坂 それは大したもんだね。

平野 その代わり後で「議長をつぶしたのは平野だ」って人前では悪いことを言うわけですよ。冗談だけどね(笑)。

筆坂 そりゃしゃあないね。

最後のは本当にいい話か。


スカイマークが機長退職で168便欠航・運休

http://www.asahi.com/business/update/0602/TKY200806020213.html

私は「168便」という番号の便が欠航になったのかと思っていて、スカイマークもしょうがないなとのんきに考えていたのだが、よくよく読むと6月中の168の便が欠航ということだった。1日約8便が欠航する計算。これはしゃれにならない。

確かに安いんだけど、リスクを承知で乗るべきだね。


東海一泊二日2日目

今日の午前は養老鉄道に乗る。昨日のうちに養老線休日フリーきっぷを買っておいた。1000円で養老鉄道が乗り放題である。まず始発列車に乗って揖斐に行った。始発列車に乗れるのはまさに大垣に泊まったからこそである。客は数人いた。揖斐では時間の都合で都合でとんぼ返り。大垣行きはけっこう客がいた。大垣からは寄り道をして、養老に行く。養老の滝に行ってみる。基本的に上り道でたいへんだが、思ったよりも時間はかからなかった。私が歩くのが早いというのもあるかもしれないが。中年団体と一緒になったのがあれだったが、それなりにいい滝である。あと、養老には養老サイダーというものが売っているという情報を得ていたので買おうと思ったのだが、早い時間帯だったせいか、養老の滝周辺の店が軒並み閉まっていて買えなかった。

養老鉄道だが、けっこう客は乗っている。2~3両編成で走らせているし、主要駅には駅員が配置してある。桑名駅で狭いホームに無理矢理中間改札をつけているのは無理があるとは思ったが、鉄道で存続させるだけの価値はある路線であると感じた。あまりに合理化、経費削減だと、鉄道を残す意味があるのかと思うので。

近鉄で津まで行って、JRで名古屋に戻る。JRと言っても津から河原田までは伊勢鉄道である。伊勢鉄道に乗るのは初めてだ。学生の頃は青春18きっぷで移動していたので亀山まわりで乗り、社会人になってからは近鉄に乗りで、今まで避けてきた感すらある。乗った快速[みえ]は2両編成。座れなかった。指定席もついているが、これが自由席と同じ座席で肘掛けもない。これで指定席券が510円必要で、単に着席保証のためにだけあると言えよう。はっきり言ってひどいと思う。JR東海は新幹線で儲けているのだから、新幹線フィーダー路線にも力を入れろと言いたい。今回は途中下車したかったので伊勢鉄道~JRに乗ったが、やはり名古屋と三重方面を移動するときは近鉄に乗るべきだと思った。

名古屋からはもう[のぞみ]に乗って帰ってしまうことにする。やっぱり便利だし。その前に味噌カツを食べた。名古屋駅の新幹線改札内の待合室にパソコンを使えるようにコンセントがある席があった。ビジネスパーソンのために便宜を図っているのだろう。もっとも、パソコンを使っているのは私だけだったが。新幹線は折角なので新しいN700系に乗ってみることにした。個人的に思う最大の特徴は窓側の座席にパソコンを使えるようにコンセントがついていることである。ビジネスパーソンのために便宜を図っているのだろう。もっとも、パソコンを使っているのは見た限りでは私だけだったが。まあ、日曜日だしな。願わくばパソコンが使いやすいようにテーブルが前にスライドしてもらえればいいのだが、その機構をつけるだけでもかなりのコストアップになるのだろう。乗った感じでは他との違いはあまり感じない。あと、全席禁煙なんだけど、私としては喫煙ルームに煙草吸いにいくためにウロウロされるよりは、何両か喫煙車を作ったほうがいいと思う。いちばんいいのはパブリックスペースでは煙草を吸わないというのだけど、要するに彼らは病気だから。ちなみに新幹線は混んでいた。B席まで埋まる状況。ノートパソコンのバッテリに余裕があればわざわざN700系を選ぶことはないかと思った。