平成の大八廻りか

Views: 5

http://www.asahi.com/national/update/0418/NGY200804180002.html

大八廻りというのは、中央本線を岡谷から塩尻に通すのに、政友会の代議士だった伊藤大八が直線的ではなく、伊那谷の北部にある辰野を通すようにした、と言われていることからついたもの。現在は塩嶺トンネルの開通で特急列車は辰野を通らなくなっている。もっとも、当時は技術的な問題もあったことは確かだ。これは明治の話。そして平成になってJR東海が中央リニア新幹線を通すにあたって、東京から南アルプスをぶち抜いて名古屋に通す計画を立てている。一方、長野県はJR東海の計画どおりだと県内は飯田付近を通るだけになるので、現在の中央本線に沿ったルートで通してほしいと考えている。ただ、この迂回ルートだと建設する距離が長くなるから費用がそれだけかかる。さらに、所要時間もかかる。中央リニア新幹線を東京と名古屋を通しで乗る人からしてみれば、迂回するよりも直線的なルートのほうが望ましいだろう。結局のところ、長野県や周辺自治体は中央リニア新幹線を地域活性化の道具にしたいのだろうが、言ってしまえばその地域の都合で、中央リニア新幹線という日本の高速交通網の核が持つ意義までも曲げてしまっていいものかと思う。長野県がごねて中央リニア新幹線の建設が進まない、ということになったら不幸な話になる。

JR東海も政治的要因を排除したいということもあって自己資金でも建設しようとしているのだろうが、いろいろと利権がからむだけになかなか難しいだろう。ただ、諏訪地域くらいの需要のためにわざわざルートを曲げることもないと、本音としては思っているかもしれない。

コメント

  1. Tenty-17 より:

    お久しぶりです。
    引用した記事には「建設費や用地取得費も軽くなる。」とあります。諏訪まわりだとかなりの遠回りになりますし、一部でしょうが市街地も通す必要があることから用地買収費もばかにならないと思います。

  2. 稚拙 より:

    おひさしぶりです。稚拙です。

    必ずしも短いほうが安上がりとは言えないと思うんですが、どうでしょう。
    どう考えても南アルプスをぶちぬくトンネルを通すというのは金がかかりそうです。
    まあ、小淵沢・木曽福島まわりでも、直線的にするならそれなりにトンネルを掘らなければなりそうですが。

  3. 稚拙 より:

    市街地ですか。うーん、確かに用地取得はたいへんでしょうね。
    なにしろ、土地が高く売れることを「あてこむ」人が最近は多いですからね。

    なんでも中央高速も、その昔は南アルプスをぶちぬく計画だったらしいですね。
    あの時代にそんなことができる技術があったか疑問ですが、青函トンネルとかができている今はなんとかなるのかもしれませんね。