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私もかねてより人口が集中する自治体と、人口が減少する自治体の差の問題を感じていたので、この本を読んでみたのだが、正直なところ、それほど期待したほどの内容ではなかった。勝ち組自治体として、千葉県浦安市、愛知県豊田市、兵庫県芦屋市、負け組自治体として、北海道夕張市、千葉県木更津市、大阪府西成区、模索する自治体として、群馬県大泉町、三重県亀山市、徳島県上勝町の例が挙げられているが、上勝町の例は私自身よく知らなかったのでためにはなったが、基本的に例が極端すぎて、そこから日本全体の自治体の格差の問題に結びつけていくことが難しい。また、「ある意味では日本の縮図のような県」と銘打って新潟県の例が書かれているが、そこに書かれているのは日本の問題というよりは、新潟県の問題である。この著者は新潟県在住ということでそれを書いたのだろうが、学生のレポートみたいだと思った。最後には、「電気はどこからくるのか」「水はどこからくるのか」と、子ども向けみたいになってくる。問題の着目点はいいとしても、そこからの論の展開がどうも拙い感じがした。
「全国どこの都道府県へも最低三回は行ったし」と書いているが、こういうことをあえて書いている本はあまり見ない。私も全国どこの都道府県へも最低三回は行っている。沖縄県が三回で、あとは四回以上行っている。しかも全て自腹で。
- 作者: 田村秀
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2007/12/14
- メディア: 新書
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