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歴史を学ぶにあたって必ずついてまわるのが戦争である。私は、近代戦は全く疎いのでそれについて書かれている本書を読んでみた。いくつか出てくるたとえ話(ビジネスとか相撲とか)がちょっと要らないなとか、書かれていることが一文民には考え方が及ばない部分もあったりするが、あとは概ね肯定的に読むことができた。戦術面はもとより、戦略面でも、韓国の併合を、海洋国家の日本が大陸国家の性格もあわせもつ「両棲国家」になってしまったということで、二十世紀最大の失敗と断じているあたりは成る程と思った。当時の日本の国家戦略の稚拙さを思う。今もあまり変わっていないのかもしれないが。
また、本書では戦争の主たる原因は心理的理由であり、その多くは「恐怖」であると記している。この言も心に留めておくべきであろう。
私はどちらかと言えば非戦主義者で、そういう人は日本にも多いと思うのだが、「戦争はいけません」だけで終わってしまうと、歴史は繰り返されてしまうように思うのだ。外国との交戦経験が極端に少ない日本だからこそ、有事になる前の段階で、戦争に対して客観的な分析、理解を充分に行う必要があるように思う。
- 作者: 松村劭
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2000/08
- メディア: 新書
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