大野伴睦のエピソード

1964年、山本幸一衆議院議員による大野伴睦衆議院議員の追悼演説から。ちなみに、山本幸一と大野伴睦は同じ選挙区(岐阜1区)で、前者が社会党、後者が自民党所属。

大野さん、かつて共産党の野坂参三氏が中国を訪れるため、あなたに旅券交付の口添えを依頼した際、何人かがこれに異論を唱えました。しかし、あなたは、「何を言うか、野坂君が中国に行ってもこれ以上赤くなるはずがない」と言われたと聞いております。まことにあなたらしく、この寸言人を説破する力強さは他に及ぶものがありません。(拍手)

当時国交がなかった中国に行きたかった野坂参三が大野伴睦を頼って中国に行くことができた、というようなことがあったという話は知っていた。実はこの話のソースをずっと探していたのだが、別の共産党の要人の話だと勘違いしていてなかなか見つからなかった。あと、原文は私の頭の中に残っていた文章よりもストレートだった…。今こういう発言したら何かと問題にされるけど、当時は特に問題視されなかったのだろう。大野伴睦のような器の大きい政治家は現在にはいないが、現在の空気が器の大きい政治家の培養を阻害している、という面も否定できないかと思う。