北陸の旅 3日目

魚津から朝早い列車に乗って宇奈月温泉まで行く。この列車は空いていて、観光客と思しき客は十人もいなかった。今日のメインイベントは黒部峡谷鉄道に乗ることである。このシーズンは混んでいるだろうということで、朝一の列車に乗ることにした。黒部峡谷鉄道の宇奈月駅に行ってみると、それなりに人がいる。自家用車で来た人か、宇奈月に前夜泊まった人が多いのであろう。いちばん安い値段で乗れる普通車に乗ることにする。1車両に10人くらいの乗客数で、これならゆっくり座ることができる。普通車は窓がなくて鎖で乗り口をふさいでいるだけの、かなりオープンな車両である。多くの人が安全に乗れるようになってはいるものの、まわりの風景と相まってかなり非日常な体験をすることができる。が、1時間20分くらい乗るため、最後のほうになってくると、だれてくるというか、試練に近い様相を呈してくる。まわりの客を見ても、後半はテンションがおちているのがわかる。客が乗り降りできる駅は宇奈月を出ると三駅ある。黒薙は少し離れた場所に黒薙温泉があるだけの駅なので、数人が乗り降りする程度だった。鐘釣で降りる客は多かった。駅にも観光客用の店が多数あった。私は終点の欅平まで行った。欅平では、猿飛峡に行って、あとは駅周辺の散策で、1時間ちょっと滞在した。本当は足湯があるとのことだが、修理中で使えないとのことだった。

帰りは行きよりは乗客が多かったが、やはりゆとりはあった。別の車両は自分の乗った車両よりもだいぶ空いていたようだ。帰りは、欅平に向かう列車と駅で交換していくのだが、これが普通車は例外はあったものの、軒並み満員で、人がめいっぱい乗っていた。こんな山奥で小さな箱に人が詰められているのを見るのは、少しおもしろかった。乗っているほうは窮屈であろうが。少し値段が高い車両はゆとりはあったが、それでもけっこうな人が乗っていた。やはり、ゆったり乗ることを望むのであれば、朝一で行くのが正解のようだ。

宇奈月に戻ってきて、宇奈月温泉ということで、せっかくなので温泉に入っていく。最初は駅近くのホテルで入るつもりだったのだが、時間的にまだやっていないと言われて、宇奈月ニューオータニホテルに入った。1000円だったが、タオルがついていて、客がいなくて貸切だった。ゆっくりできてよかった。

宇奈月温泉から富山地方鉄道に乗る。この列車はけっこう混んでいた。時間帯によっては利用客も多いということか。この列車に乗って発車時刻を待っていたら、いきなり激しい勢いの雨が降っていた。この雨にうたれていたらたいへんなことになっていた。宇奈月での全日程を終えたところで降ってきたのいうのは、運がいいと言うべきか。

電鉄黒部で降りて、JR黒部まで歩いて、黒部から特急はくたかに乗る。自由席に乗ったが、半分程度の乗車率。直江津で降りて、泊。