第46回衆院選結果の政党別考察-既存政党編

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自由民主党

294議席。近畿で日本維新の会に食われたという面はあるが、大勝と言っていいだろう。結局のところ日本の政治の対立軸の一つとして自民vsそれ以外というのはあって、それ以外が分裂した結果自民が利したという点はあると思う。自民党が日本の政治のデファクトスタンダードになっている現実を思い知らされた格好だ。旅行から帰ってきて「やっぱり家がいいよね。」と思う人が多いとも言えるか。

今回、ベテラン議員の引退が相次いだ一方、新人議員が113人も当選するなど、だいぶ人が入れ替わっている。それがいい方に出るか、悪い方に出るかは一つの注目点であろう。

公明党

31議席。小選挙区は全員当選し、全体議席も前々回の衆院選の水準に戻った。特に書くこともないが、北海道10区を自民から譲ってもらった格好で今後それがずっと続いていくのかは気になる。

民主党

57議席。惨敗。比例では日本維新の会の後塵を拝している。小選挙区で勝てる候補の多さで辛うじて維新よりも全体議席数を上回った格好だ。北海道で全敗というのはちょっと衝撃的だった。選挙の準備に怠りがなかったというとそうでもないし、党内の意思統一も含めてどこかちぐはぐな印象を受けたが、沈む組織というのはそういうものか。

民主党は政権交代という目的があって、それを果たしてそして終わったわけだけど、今後新たな党の目的を再設定しないことには党の再興にはならないと思う。また議席の過半数をとって政権の中心を担っていく、というのは難しいかと、個人的には思う。

国民新党

1議席。0議席になるかと思ったが、なんとか1議席を死守した。ただ、来年の参院選で政党要件を失う可能性は高く、そうなると党の存続は難しいのではないかと思う。

日本共産党

8議席。前回9議席で、比例近畿で1議席減らした格好だ。目標の議席倍増は絵空事としても、この微減はなかなか微妙な結果だ。これ以上上がることはないが急激に落ちることもない、という評価になるか。今回、ほとんどの小選挙区に候補者を立てたが、元地方議員ならまだしも、ほとんど知名度がない党職員を立てても意味を感じないし、毎回候補者が代わる選挙区などはそもそもやる気があるのかと疑いたくもなる。

社会民主党

2議席。前回5議席で半分以下になった。比例は九州でのみ1議席獲得で、前回とっていた東北、南関東、近畿では議席を獲得できなった。主力だった辻元、阿部の両氏は党を離れ、重野幹事長は病気で立候補断念と人材も枯渇しているような状態である。前回比例での得票率は4.3%だったのが、今回は2.3%になった。2%割れとなると政党要件の喪失ということも現実味を帯びてくる。来年の参院選の結果によっては余命3年という現実を突きつけられることになる。