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宮脇俊三著「ローカルバスの終点へ」の精読企画。1987年から88年に書かれた記述内容が2021年現在どうなっているのかを中心に記していく。基本的に月末更新。今回は田歌(京都府北桑田郡美山町)。
美山町は2006年1月に合併して南丹市となっている。本書では京都駅から周山までを西日本JRバスで、周山から安掛までを同じく西日本JRバスで、安掛から田歌までを京都交通のバスで乗っている。このうち、京都→周山の西日本JRバスの路線は健在である。周山→安掛→鶴ヶ岡の西日本JRバスは1994年に廃止となり、美山町営バスに移管、現在は南丹市営バスが運行している。ただし、周山から鶴ヶ丘まで行くには、宮脇で乗り換える必要がある。周山から安掛まで直通するバスもない。旧美山町内からの移動としては、京都市となった周山よりも同じ南丹市内の日吉へが便利となっている。そして田歌までだが、まず京都交通が2004年に倒産している。主に舞鶴を中心としたエリアを別法人の京都交通が、亀岡を中心としたエリア京阪京都交通が引き継いでいる。ただ、旧美山町エリアは南丹市営バスが引き継いで運行している。日吉から宮脇、安掛を通って「中」集落の旧知井小学校前まで行く路線がある。当時は小学校があったが、”旧”が示すとおり2016年に廃校になっている。田歌までは旧知井小学校始発のバス路線が通じているが、終点が更に先に佐々里になっている。本書に軽便鉄道の記載がある芦生も経由する。軽便鉄道は走っていないようだが、軌道は残っているようだ。
氏が宿泊した知井口近くの旅館枕川楼も健在である。旅館のホームページもあるが、本書にも書かれている通り、わりと高級な旅館である。また「北」集落の茅葺き屋根は現在も残されて、観光資源となっているようだ。