吉田初三郎式鳥瞰図「佐渡商船會社航路案内」

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まず佐渡商船というのは1913年に設立された会社で、1932年に佐渡商船が新潟汽船、越佐商船を合併して現在まで続いている佐渡汽船に改称している。この図が作製されたのが1930年なので、この頃は新潟と佐渡を結ぶ船を運航している会社が3社あったことになる。その中でも佐渡商船は新潟-両津便と、直江津-小木-沢根便を運航していた。佐渡から直江津に行く便は夜行便だったようである。
今の佐渡の一大観光スポットといえば佐渡金山であるが、当時は相川鉱山として普通に稼働しており、わりと淡々と描かれている。また相川には佐渡支庁が描かれている。元々相川には相川県庁があり、郡役所もあり、佐渡の中心ではあった。佐渡支庁は1985年に廃止されている。佐渡金山もそうだが、現在では佐渡の観光要素であるトキも当時はそこまで珍しくなかっただろうし、ジェンキンスさんもいないし、小木のたらい舟もあっただろうが観光資源とはなっていなかった模様。当時の図で紹介されている佐渡の観光地は神社仏閣が多い。