吉田初三郎式鳥瞰図「津市小觀」

https://iiif.nichibun.ac.jp/YSD/detail/005538079.html
1928年に作製された図で、今の近鉄名古屋線は伊勢鉄道として四日市~津新地が開業していた。名古屋までつながるのは関西急行電鉄に会社が変わった1938年のことである。また、新町から椋本、片田にも鉄道路線が伸びているが、これは安濃鉄道で1944年に不要不急線として休止し、1972年に廃止になっている。なお、片田支線が廃止されたのは1927年とのこと。岩田橋から久居を経て川口まで伸びているのは中勢鉄道で、1943年に廃止になっている。川口は今は名松線伊勢川口駅のある場所で、名松線が開通した1931年からは約10年間は乗換駅として機能していたという。紀勢本線は現在の路線と同じ状況であるが、当時は亀山から鳥羽までが参宮線だった。1959年に紀勢本線が全線開通して線区が改編されている。国鉄伊勢線、今の伊勢鉄道は1973年開業なので、当然この図にはない。
専修寺、観音寺、結城神社などの神社仏閣は現在も津を代表する神社仏閣として現存している。阿漕浦の海水浴場も現在は御殿場海水浴場という名前で現存しているようだ。阿漕は別の村かと思ったら、当時から津市だったようである。阿漕浦のあたりだと津興という地名になる。