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高速道路1000円化なり、無料化なりで、公共交通機関が打撃を受けるということは言われているわけだけど、そもそも、現在では公共交通機関だけを使って移動を完結することが難しい、ということが前提としてある。鉄道会社も新幹線や特急が走るような幹線には力をいれているのだが、ローカル線などの地方の普通列車にはさほど力をいれていない。新幹線や特急を降りてさて普通列車に乗り換えようと思ったら混んでいて座れない、ということはよくある。また、鉄道ではなくバスに乗り換えるにしても、地方のバス会社は体力的にも弱ってきているし、鉄道会社とバス会社の連携も充分であるとは言えない。そういう状況なので、移動が一つで完結する自家用車が選ばれる傾向にあるのだと思う。
鉄道会社も高速道路が安くなることには文句を言っているが、上記のような公共交通が抱える構造的な問題については口をつぐんだままだし、解決する力に乏しさを感じる。むしろ合理化の名のもとに、ローカル路線は切り捨てられる傾向にあるのが現状だ。
公共交通機関が自家用車に勝つには、究極的には公共交通機関のみで移動が完結するような体勢を作ることだと思うが、何もしなくても乗ってくれた時代から、モータリゼーションが進んで枝葉を切り落としてしまった現状では、そういうのも難しいのかと思う。