辻由美「カルト教団太陽寺院事件」

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集団死亡事件を起こした太陽寺院のことについて書かれた本。日本語で太陽寺院のことについて書かれた本はほとんどないようで、そういう意味でも貴重な存在だ。もともと作者はオウム真理教の一連の事件がきっかけでこの本を書いたというが、オウム事件との対比はしなかったという。これは正解だと思う。やはり、同じカルト教団と位置づけられているとはいえ、日本と欧米とでは信仰に対する考え方が違うようだし、無理に比べないほうがよいだろう。

結局のところ、カルト教団というものは、宗教のフォーマットを借りてトップが集団を支配するための仕組みに過ぎないのではないか、というのが私の率直な感想だ。何故、カルト教団にはまるのかという点については、その人の志が高いゆえにカルト教団にすがってしまうのではないかと思う。要するに、さらに高いステージに達するための拠り所になっているのだ。そう考えてみると、学歴が高い人、ステータスが高い人がカルト教団に入信するのは合点がいく。

カルト教団太陽寺院事件 (新潮OH!文庫)

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