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香山リカといえば、私としてはファミコン通信の連載(「尻に目薬 目に座薬」)をおぼろげながら思い出すのだが、今ではすっかりテレビでもおなじみの顔になって隔世の感がある。
さて、本書であるが、「劣化」という言葉をオールマイティーに使っていて、論に無理が生じていると感じた。とにかく不都合なことがあると「劣化」という言葉で片付けている感じだ。それが、肉体的、精神的、社会的、文化的になものにまで対象が多岐にわたっていて、全体的に散漫になっている。結局、「日本人は劣化している」以上のものが伝わりにくい構成になっている。提出期限ぎりぎりにあわてて完成させた学生のレポートみたいな出来になってしまっている。おそらく、忙しい中あまり時間もかけられずに書いてしまったのだろうと推測する。
- 作者: 香山リカ
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/04/19
- メディア: 新書
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