沖縄県知事選で仲井真弘多氏が再選

http://www.asahi.com/politics/update/1128/SEB201011280015.html

沖縄県知事選では現職の仲井真弘多氏が、伊波洋一、金城竜郎氏を破って当選。事実上、仲井真、伊波両氏の一騎打ちになったのだが、伊波氏が仲井真氏の票数を上回ったのは、宜野湾市(伊波氏の地元)、大宜味村、今帰仁村、読谷村、北谷町、北中城村、中城村、西原町。他は仲井真氏が伊波氏の票数を上回っている。トータルでは4万票弱の差がついた。

普天間基地移設問題については、当初仲井真知事は県内移転を指向していた。ところが、途中から県外移転に転向。伊波氏は国外移転を掲げていたものの、沖縄県レベルからすれば県から外への移転ということには変わらず、その違いは当初に比べれば少なくなったと言えよう。さすがに県民感情を考えると、知事も県内移転の主張を通すことは難しいと考えたのだろう。一方で県内移転を主張している自民党本部は仲井真知事を支援した。これは、事情が変われば県内移転も容認してくれるだろうという期待があるのだと思う。そして、これは今の民主党政権もそう願っている節がある。

私個人としては、国外移転をすべきだと思うのだけど、これは基地をただ外に移転すればいいというわけではなくて、日本の国防全体を考えて米軍が日本にあることが是か非かと最初から検討すべき、という考えによる。

ただ、現時点での沖縄県知事の考えは「国内移転」なわけで、そうなると日本のどこかが移転先ということになる。以前に移転先としてあがった徳之島がかなりの拒否反応を示したけど、そういうことが各地で起こる可能性もないとは言えない。

基地移設問題については、立場によっても意見が異なるだろうし、国防という今まで日本が積極的に触れてこなかった問題が絡むだけになかなか難しい。

民主党は参院選に続いて、沖縄県知事選でも候補を擁立せず、推薦も出さず、自主投票という形になったわけだが、民主党の地元選出の衆議院議員は伊波氏を支援した。こうなったら、沖縄の民主党議員は独立して「沖縄民主党」でも結成したほうが、次の衆院選のためにはいいのではないか。そうなっても、どうせ民主党は対立候補を出してこないだろうし。

あと、幸福実現党のメディアでの無視されっぷりがすごかった。金城竜郎候補が得た13116票は、前回の参院選よりも2300票ほど票を増やしている。県内移転という主張は、現政府や自民党と同じ意見なのだから、幸福実現党の金城竜郎候補に相乗りしてもおかしくなかったのではないだろうか。いや、おかしいか。唯一の所属国会議員である大江康弘参議院議員は政治家なので自党候補を擁立せずに保守系の仲井真候補を支持すべきと主張して党と対立。離党するという話も挙がっているが、今後、動きがあるかもしれない。