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http://mainichi.jp/area/tochigi/news/20080607ddlk09040064000c.html
宇都宮市長選挙にLRT導入反対の人が出馬するというニュースを見て、宇都宮でLRTを導入するという話があることは知っていたが、選挙の焦点になるくらいまで話が進んでいることは知らず、少し調べてみたら毎日新聞のLRT導入賛成派と反対派の意見が載っていた。
賛成派は導入の理由を「環境に優しい」「ネットワークができる」「コンパクトシティー」「清原工業団地までのアクセスを良くする」といろいろとつけている。実際のところ「宇都宮に特徴がほしい」という本音なのではないか思っているのだが、どうだろう。反対派は金の問題を挙げている。あと計画の妥当性にも疑問があるようだ。
「1日の利用者を3万2900人と試算しているが、そんなに需要があるのか。」という意見が書いてあったので、調べたみたのだが、読売新聞の記事によると、32900人というのは採算ラインで一日の利用者数見込みは44900人としている。この数字は宇都宮市が出している資料ともあっている。元々、採算ラインは50000人だったのだが国が新たな補助制度を打ち出したので32900人に下がった、らしいが単なる数あわせのような気もする。バスの県全体での利用者が一日56000人なのに、LRTだけで32900人乗るのかという声も記事に紹介されている。ちなみに成功したと言われている富山ライトレールの一日の利用者数は5000人台、札幌市電の一日の利用者数が20000人台前半。最近開通した日暮里・舎人ライナーの一日の利用者数が40000人らしい。距離や他事情があるから他とは単純に比較できないが、宇都宮のLRTについては44900人はもちろん、32900人という数字も難しいと思う。
公共交通の新規事業は成功するケースがわりと多いものの、桃花台交通みたいに失敗するケースもある。宇都宮のLRT事業も現状では失敗しそうな雰囲気を醸し出しているように感じた。だいたい、過剰なまでに期待感を煽るような事業は失敗するケースが多いように思う。